湘南寺田屋

個人の記録用。元々は山スキーやクライミングの記録用だったが今は料理やらオルガンやら日々の雑多な記録多し。2016−21間はシドニー滞在していた時の記録。23.7月から山の記事はサブブログに移管。以前の記録もサブブログでアーカイブ。

常念・蝶ヶ岳早駆け周遊

前の日に地元の山の会の方と西丹沢に滝見物ハイキングに行く予定であったが、雨男パワー(?)で残念ながら中止となった。前線が抜けて好天が期待される日曜に日帰りで常念・蝶ケ岳の日帰り周回に行くこととした。還暦到達後の初山行で体力自己測定。
夜行で到着した三股駐車場はすでに超満車状態。やむなく少し戻った第二駐車場にかろうじてスペースを見つけて、6:30にスタート。はるか上に蝶槍あたりの稜線が見える。

 

装備はなるべく軽装(ローカットシューズ、タイツにTシャツスタイル、チューブ給水で水2ℓ、食料、雨具くらい)を心がけるが、それでもツェルト、救急キット(補助ロープは割愛)等は入れておく。蝶ケ岳に向かう人の方が多いようで車の数に比べて常念方面の人は少ない気がする。ここから前常念経由常念岳までほぼ1,500mの登り続きである。コマドリのヒリリリリと囀る声が方々から。ウグイスとコガラなども囀る。ゆっくり登る方をパスさせてもらい急登をリズムよくいく。森林限界を抜けると前常念まで岩の積み重なりを越える道となる。徐々に稜線越しに雪の残る穂高連峰が見えてくる。チングルマがたくさん咲いている。


前常念まで3時間弱、本峰まで約3.5時間をノンストップで行くが右脹脛が少し攣ったりする。そんなに余裕はない感じ。ひとりとても足の早い人が先行していくが連れの方は疲れてしまったようである。もうひとり、自分と同行程の蝶周遊に行く地元のソロ登山者も快速で登っていった。

 

槍も見えはじめ、後立山の峰々も遠望できる。赤い山体の赤牛岳がよい目印。右側手前には横通岳から大天井の表銀座の山々。常念には高校1年時に初の北アルプス登山で来て以来なので44年振りである。常念小屋からの登路に合流し一投足で懐かしい山頂に到着(空気感はなんとなく覚えているものである)。

御嶽に乗鞍               / 前穂、奥穂〜大キレット、南岳方面


写真を撮って、少し下ったところで快晴の槍穂の大展望をみつつザックを下ろす。10分休んでおにぎりを2つ食べる。出発が遅くなったので休憩は少なめにし、大きく縦走路の最低鞍部まで石の積み重なる道を下る。終始穂高を終始眺めつつ歩くのは愉快なこと。

蝶への稜線。結構下ってから登り返す  /   屏風岩。はるか昔東稜を人工で登った

 

樹林帯まで降ってから蝶ケ岳までの登り返しとなる。顕著な蝶槍のピークは結構遠く見える。展望はなくてもミヤマキンバイチングルマハクサンコザクラコイワカガミ等が咲き、特に大きなキンロバイの黄色い花がたくさんあってうれしい。

蝶槍方面               /  大きなキンロバイが多く咲く

キバナノコマノツメ           /  ニッコウキスゲが数輪

オオサクラソウ(と思う)

 

蝶槍には常念で会ったソロの方がいたのでちょっとご挨拶。ここからはまさに稜線漫遊で槍穂の大展望を堪能する。イワヒバリが一羽大きな声で囀っていた。ゆったりと歩いて蝶ヒュッテに13:20到着。

 

44年前、ずっと雨だったので上高地に下ろうとおもいつつも我慢してここに一泊。翌朝は安曇野側の雲海からのご来光、振り返ると初めてみる槍穂の峰にぽっかりと月がかかり、足下はるか下に朝霧の上高地の谷。山の虜になったきっかけの地である。そんなことを思い出して目の前の景色を目に焼き付けてから、下山開始。

イワツメクサ


稜線直下に、サンカヨウ(山荷葉)の小さな花がたくさん咲いている。居合わせた詳しい方から、純白の花が雨に濡れると透明になるので「シンデレラのガラスのくつ」という別名もあると教わる。

梯子の多数かかる道を急降下。ひとり安定して上手に歩く方があり、よいリズムなので50mほど後ろを歩かせてもらう。「ゴジラのような倒木」のところでお会いしてちょっとお話ししたが地元長野の少し年上の岳人。年季の入った足捌きはぜひ参考にしたいところ(こちらは腿前部と脹脛がパンパンで明日が思いやられる)。前日の雨で激流となった本沢を越えて無事下山。ちょうど9時間で周回完了。コースタイムは13−14時間くらい?なのでまあまあであろうか。

オサバグサ(と思う)          /   恐竜の枯れ木

 

今回、山運動靴のゴム底を沢登用ソール(ビブラムのイドロという丸パターンのもの)に張り替えたもので行ったが、沢沿いの濡れた岩や木の根、湿った木道等で驚くほど滑らず大変よかった。お薦めである。

 

【移動距離、高低差】18.5㎞、高低差1,570m(延べ高低差約2,100m)

【コースタイム】

 茅ヶ崎2:00==安曇野IC==三股5:45着

 三股第二駐車場(1280m)6:05―三股(1350m)6:30―前常念(2662m)9:20―常念(2857m)10:05/10:10 ―蝶槍(2664m)12:50―蝶ヶ岳(1664m)13:20―三股15:25ー駐車場15:45

 三股駐車場16:15==茅ヶ崎20:50(渋滞20km)

【機材】オリンパスμ1030sw(古い機材だが速歩きの友としてGood)

GPSトラック】