湘南寺田屋

個人の記録用。元々は山スキーやクライミングの記録用だったが今は料理やらオルガンやら日々の雑多な記録多し。2016−21間はシドニー滞在していた時の記録。23.7月から山の記事はサブブログに移管。以前の記録もサブブログでアーカイブ。

西穂高独標へ(M山第5次登山隊)

穂高連峰にM山さんとK澤さんをご案内することとし、いろいろ考えた結果西穂山荘に泊まって西穂独標峰まで登ってもらうこととする。雪が来る前の秋の一日、天気に恵まれた山行となった。

14日(金)。今回は西穂本峰を狙うM君が同行してくれるので心強い。朝5時に湘南台に迎えに行き、高速で都内のM山さん事務所へ。7時前に都内を発って平日の混み合う首都高を抜けて中央道をひた走る。朝は雨がかなり残ったのだが、笹子トンネルを越えると晴れ上がり、白峰三山が正面に、鳳凰三山八ヶ岳もきれいに見通せる。諏訪に近づくと正面に槍から大キレット穂高の峰々もはっきりとわかった。これまで何度も通ったが初めてでよろこぶ。松本ICで降りて、コンビニで食糧を仕入れてから上高地方面へ。バスや材木トラック等もいてゆっくりペース。釜トンネルで上高地への道から別れ、安房トンネルを通って岐阜県へ。さらに走って奥飛騨温泉郷を通過して新穂高温泉に到着。以前と異なり登山者用駐車場は第一ロープウェイを登った上の広場にあり、ちょっと苦労してようやく到着。観光客も大事であろうが、せっかくの昔からの登山口で滝谷や冬の穂高槍ヶ岳等への基点なのだから、もう少し登山客を大事にしないと薄っぺらい行楽地になってしまう気がするが。

向かいの笠ヶ岳の穴毛谷の大きな景色を眺めてから、第二ロープウェイ駅へ。穂高連峰を左に見ながら一気に高度を稼ぐが、あいにく槍は雲の中。以前はこのロープウェイを使って西穂沢の滑降をしたことがあるが、今はスキーは持ち込み禁止とのこと。

上駅は気温13度。雪は稜線にもまったくない様子。14時、西穂小屋に向かって歩き始める。展望テラスの工事の間を少し降ってからあとは樹林帯の急騰。振り返ると笠ヶ岳が美しい。

西穂を見つつクマザサとダケカンバの道を行く

 

右にトラバースするようになると、稜線に建つ西穂山荘に16時少し前に到着。上高地の谷を挟んで大きな霞沢岳が立ち上がって見える。今年は雨で断念したが、ぜひ登ってみたい山である。稜線の先にはすぐ近くに焼岳がほぼ同じくらいの高さに見え、その左には乗鞍岳も思いがけず鋭い山頂を見せている。

 

今日はまだ空いているようであるが、コロナ対策でいろいろ大変な様子。個室を使わしてもらうことになっているので、笠ヶ岳側の角部屋に無事納まる。遠く加賀白山もよく見える眺望の良い日。小屋からは穂高は見えないので、夕食前に軽装で円山に向かい、途中の小ピークで夕陽を楽しむ。大型カメラを抱えてきたM君も満足そうである。

 

17:15、日の入りを見届けてから小屋に戻り、ちゃんと美味しく作ってもらった夕食をいただく。小屋のロング缶は800円するが、頑張って持ち上げた里のビールと日本酒(雁木)で疲れを解消し、21時には就寝。M山さんは連日の仕事の疲れからかものの10秒程で寝入ってしまい、一同びっくり。

 

15日(土)

少し高い雲もでてきたが、今日も青空が広がっている。白山や笠ヶ岳のモルゲンロートを見ながら活動開始。今日は西穂まで足を伸ばすM君が6時15分に先発し、残る3名は30分後に小屋を出発。ゆっくり高度を上げて円山の山頂までほんの20分。振り返ると焼岳の稜線を雲が乗り越え、右手遠くには富士山と北岳が重なるようにシルエットになっている。

富士と北岳。標高1位と2位

 

登っていくと、西穂独標峰、ピラミッドピーク、そして西穂本峰が近くに迫る。

西穂高の稜線。左から2つ目が本峰、3つ目がピラミッドピーク /  右端が独標峰

 

明神方面の上高地の谷。右に切れ込む沢が徳本峠への白沢谷。

長い緑のハイマツ斜面をゆっくり登り、そこから先はちょっとした岩稜となる。初級ルートだが、初めてのM山さんやK澤さんは高度感もあり緊張気味である。ヘルメットをかぶってもらい、慎重に登高開始。途中一箇所大きく脚をあげるところもあり、少し苦労する場面もあったが、9:50に無事独標峰に到着。奥穂高から前穂高への眺望が目の前に広がり、なかなかよい景色。雪はなく黒々としている。岳沢の中がよくわかり、コブ尾根のコブの頭、以前登った奥穂の南稜、トリコニーの三岩峰も確認できる。

独標峰への斜面             /   なかなか緊張する

奥穂(標高3位)と前穂。岳沢奥部が見渡せる

西穂方面のM君が望遠で撮影した独標のM隊三人

30分ほどピークで過ごすが、まだあまり人は登っておらず自分たちだけで独占する時間も。しかし、今日日帰りでロープウェイで上ってきた人たちが続々と登ってきており、急いで下山に入る。正直かなり足元のおぼつかないハイカーもいるので(両手トレッキングポールで降りようとする人とかもいる)一応8mm補助ロープを出しておくが、特に何事もなく10分ほどで独標基部まで降り立つ。その頃には続々と登山者が増えて、渋滞が起こってきていた。

すれ違いに時間を要しながらものんびりと下山を続ける。西穂に向かったM君からは、膝を痛めたことと渋滞で結構時間を要しているとのことであったので、こちらはゆっくり歩いて13時に小屋に帰着。昨日と違って大賑わい。昼の弁当を食べながらM君の戻りを待ち、往路を戻って無事ロープウェイに帰着。あいにく霧の中に入ってしまい、槍ヶ岳は見えず仕舞いであったが、麓の「飛岳の湯」の露天風呂で汗を流してから帰京。道は空いていたが、都内にようやく23時過ぎ、湘南に帰り着いたのは0時を遠に回ってしまった。まあ、翌日が日曜なので気は楽である。

 

(コースタイム)

14日(金)

 1400 ロープウェイ上駅

 1510-1520 2200m地点(休憩)

 1550 西穂小屋

 1615 小屋発

 1630-1715 円山

 17:30 小屋

15日(土)

 小屋 0705

 独標 0950 / 1020

 独標下 1030/1050

 円山 1220-1230

 小屋 1300/1405

 ロープウェイ上駅  1600

(撮影機材)

OM-D E-M5 + M.Zuiko 14-150mm,  同9-18mm