Mountainと名が付いているところはなるべく言ってみようと思い、NSW内で日帰りでいけるところを探してみると、ブルーマウンテンの近郊に岩山ドンキーマウンテン(Donkey Mountain)というのを発見。地元山岳グループの記録が少しあるが、篤志家向けのようでちゃんとしたルート図等は見当たらない。まあ、適当に行ってみることとする。
朝5:45に出発。今日から夏時間(特に事前周知もなく切り替わる)なので、昨日までの4:45であり目をこする。M2高速でRichmondまで行き、そこから一旦降りてB59号線で山越え。シドニーから30分ほど走っただけのちょっと郊外であるが、濃い川霧が立ち牧場の美しい風景が広がる(カンガルーの交通事故も多くてかわいそうだが)。大きな月と火星を見ながら、桃色や白の大きな樹木の満開の花々を見ながら走る。朝日を背に、自車の長い影を踏みながら山を登る。片側一車線の旧道であるが、空いていてペースも上がる。
山を越えて西にリスゴー(LIthgow)の街並を見ながら駆け下る。ここにはZigzag Railwayというスイッチバックの旧鉄道が観光営業していたのだがブッシュファイアで被害を受けた運休している(一旦2019年再開とされていたがその後再度の被害もあったようでまだ運休中。2021年度再開予定となっていた)。リスゴーで現在の主要道Great Western Highway(A32号)と合流し、マランガルー(Marrangaroo)という小さな町まで7km走り、ここから北東に入ってウォルガン谷(Wolgan Valley)に入る。両側が侵食された左岸の岩山の浅い谷でキャンパーにも人気らしい。一箇所強烈に切り立った崖下(オーバーハングでおまけに養生してないので岩も落ちている)を通るところが50km/h規制だが、以降は80km/hの舗装路となり快適。8:33登山口の駐車スペースに到着。
ウォルガン谷
ドンキーマウンテン全景 麓からは350mくらい
身支度して、9:00出発。うっすらした踏み跡や枯れ川を通って、適当に登る。ブッシュファイアーの影響で炭になった樹が多いし、日差しは強くて歩きづらい。傾斜がきつくなると崩落した砂岩が重なっていて崩れやすく、結構な難路である。誰もいないのでちょっと岩を落としたりしながら登ると、大きな岩がどんどん現れ、ちょうど1時間で稜線に到着。
稜線から反対側(南側)。やはりテーブルマウンテン/ 往路を振り返る。樹木は焼けている。
岩のふもとには明瞭な踏み跡があり、ケルンがふたつ。主要岩峰と思われる方に歩いていくと、もろいが急峻な砂岩の岩々が現れる。えぐれた麓が通られているようで、慎重に通過して鞍部に到着。とはいえ、またも踏み跡は怪しくなり、どちらに向かうにしてももろい岩と炭化樹木の急斜面となる。ぐるりと一周しようとしたが、ロープなしではちょっと行きたくないようなガラガラ急傾斜なので無理はよしておく。すっきりとしたクラックラインもあるが、なにせボロボロの砂岩なのでちょっとフレンズやナッツも効きづらいように思え、登攀の対象にはならないように思う(湘南鷹取を風化させたような感じ)。
主要岩峰群 / ようやく人の気配(ケルン発見)
ほぼ垂壁の砂岩岩峰群だが、こいつはオーバーハング
ここを回り込んで行く。結構ビビる。
裏側に回るとすっきりとしたフィンガークラックライン。岩質はもろいがいいルートになりそう。
裏妙義(まだいったことはないが)流に浮石や風化面をさばきながら戻っていると、大声のコールが複数。4名男女パーティが鞍部に登り着いたきたところ。そのまま苦労しながら主要岩峰左手(東側)にルートを取ろうとしているが先行者は浮石落岩に苦労している。ちょっとエールを交わしてから、自分はとっとと降りることとした。
中腹に赤い服の4人組男女。 / このあたりは踏み跡しっかり
さすがにこの先はロープなしでは行く気がしないので、/ 来た道を戻る
北面(南半球なので直射日光)をとぼとぼと浮石でスリップしたりしながら下って行くと、両側にたくさんの花々を見る。夏に向かうこの時期は、里の樹木の花々も美しいし、山の小花も咲きそろってきれいである。お花畑。
気持ちの良い浅い谷 / 車が6台に増えていた。30度くらいで暑い。
駐車場には車が増えていたが、それでも2人組が入山するだけで人影はない。マフィンとか適当に軽食で昼食にし、水をたくさん補給してから12:45に出発。往復330kmで走って16:30に帰宅。
キャンプして星空でもみると素敵だと思える浅くて明るい谷
地元の方による岩塔群概念図(実際はどこだどれだかわからなかった)
(標高差)
駐車場 約620m
稜線 約950m
(水平距離)
いろいろ動き回って6.5km
(機材)
Olympus OM-D EM-5 + M.Zuiko 9-150mm