湘南寺田屋

個人の記録用。元々は山スキーやクライミングの記録用だったが今は料理やらオルガンやら日々の雑多な記録多し。2016−21間はシドニー滞在していた時の記録。23.7月から山の記事はサブブログに移管。以前の記録もサブブログでアーカイブ。

北ア 小日向山北面

 今シーズン初の山スキーは、所属する山の会のJ(フランス)の送別山行となった。暖冬による寡雪に加え15日(木)には春一番の暖かい嵐だったことから雪質が気になっていたが、馬力があってスキーの上手なメンバーに交じって、期待以上の素敵な山行となった。

16日(金)

22時、いつもの八王子南口にてKさんのクラシックなボルボに拾ってもらい、一路中央道を飛ばす。途中Sさんレガシーと合流し八方二股を目指し、1時半過ぎに到着。途中のコンビニで買ったビールを1本ずつ飲んでおとなしく就寝。

17日(土)

 ゆっくりと6時半に起床し、フレンチ&ジャーマン組の到着を待つ。さすがにタフなJも連日の送別会と睡眠不足で辛そう。8:30出発し二股から左の発電所専用林道を行くが、雪がない。2週間前にきたときはあったのにとKさん。30分ほど歩くとようやくシール歩行が可能となる。ガラガラ沢他からの戻りのシュプールもまだついていない。突然斜面をカモシカが一頭駈け下ってきて10m程崎でこちらを立ち止まりこちらを観察。あわてて沢に駈け下っていった(やはりラッセルはしていたが)。袖ガラ沢を越え九十九折になるあたりで尾根に取り付くが、どこも急傾斜に濃いブッシュで大変である。左よりにコースをとったHさんと私はぐずぐずと崩れる雪に30分ほど苦労し皆から遅れてしまった。日が照り暑く、2月なのに半そでになってがんばる。結局最初のピッチはスノーシューのGが一番。尾根で一休みしてからシール登行を続ける。疎林の緩斜面となり快適である。Kリーダーはぐんぐんと飛ばし後続を引き離す。すごい馬力。1500mで再度小休止の後、トップを交替。無風快晴の下、唐松Dルンゼや不帰の峰々が眼前に広がりすばらしい景色。遠く真っ白な火打や妙高浅間山や南アの山々も良く見える。八方北面の沢には何本も新しいシュプールが入っている。

f:id:teradaya:20070217121105j:image

f:id:teradaya:20070217121045j:image

f:id:teradaya:20070217121027j:image

気分よく飛ばしていくが、徐々にシールにゲタ雪が付く。春のような天気のせいであるが、重くてかなわない。4月頃の春山の気配である。Jも板をはずして雪落しをしながら苦労している。1800mあたりでトップを替わってもらうが、大腿部に乳酸がたまりまくりでペースダウン。体力を鍛えなくては。それでも順調に13時すぎには山頂に到着。大展望を楽しむ前にばくばくと燃料補給。今日はしゃりばて気味だった。ビールをわけてもらい、Gのフランスサラミ(なんていうのか忘れたが)を食べてよい気分である。ここは絶好の展望台である。白馬3山の各沢筋を眺め今後の計画を思い浮かべる。

 30分ほど休んでいよいよ待望の滑降開始。北面斜面は疎林の中きれいなまま残っている。ちょっと重いが期待以上の深新雪!各自思い思いにショートリズムですっ飛んでいく。自分も1年ぶりの感触を思い出しつつ追いかけるが、斜面は広くノートラックの場所がいくらでもある。至福の時。ボードのGも巨大なスプレーをあげて楽しそうである。それにしても皆上手。だれも転ばないし遅れないので、早いこと早いこと。

 しばし下ってから左にトラバースし、猿倉台地に出るように進むが、その間も軽い雪の溜まった場所を選びながら楽しむ。いつもしんがりを勤めるJは手つかずの斜面を見つけて独特のフレンチスタイルで飛んでくる。1時間もたたずに猿倉上部の林道に到着。大休止。ここからは3キロ以上の長い林道である。ところどころの登りに苦労しながら、ショートカットしながら滑るが、さすがに雪は重くなり、ころんだり木にひっかかったりと難儀。それでも1時間ほどで二股に帰着。

 あとはAコープで酒と食材を買い込み、小谷の山田旅館へ一直線。源泉の湯でさっぱりしたらすき焼きをつくってコタツで宴会。ひとりふたりと満腹と酔いでうたた寝をして送別山行の夜は更ける。低気圧の接近で徐々にに雲が厚くなってきた。南岸低気圧だが寒気はあまり強くないようである。雨男の自分がいても天気がもったのはJの善行のせいだな。日本での最後の山行に同行できてよかったよ。ありがとう。

記録:

[メンバー]K下CL、H、S木、N野、J、G、S &寺田

[行動Time]

二股(850m) 08:30

取付:発電用道路屈曲点(1050m)  09:20

尾根上(1165m) 10:15/10:25

尾根上(1500m) 11:25/11:40

小日向山(1907m) 13:10/13:30

猿倉台地下林道(1200m) 14:20/14:30

二股 15:30

[登行高度] 1057m

[滑降高度] 1057m