湘南寺田屋

個人の記録用。元々は山スキーやクライミングの記録用だったが今は料理やらオルガンやら日々の雑多な記録多し。2016−21間はシドニー滞在していた時の記録。23.7月から山の記事はサブブログに移管。以前の記録もサブブログでアーカイブ。

高山の画家の展覧会

仕事の後、千葉市美術館の「生誕140年 吉田博展」に行く。

同氏の木版画が好きで、携帯待ち受け画面はずっと同氏の作品にしているが、今回初めて実際の作品に接することができた。

初期のデッサンから非凡な才が感じられる。その後の初期の水彩や20代からの油彩も多く集められている。18歳の浅間山を描いた水彩は、作品九州から上京してすぐだろうか。後の山の作品への入り口なのだろう。自分も高校に入ってすぐい初めて北アルプスで大きな峰々を目にして、以来ずっとその流れの中にいる。

20代前半にほとんど何も持たずに米国に行って思いもかけない成功を得て、欧州経由で帰国。その時にもうマッターホルンなども見ていたようだ。その後、後に妻となる義妹とも海外をめぐり、その成果を発表発した展覧会の話が漱石の「三四郎」の中に出てくるそうで、そのシーンにでてくるベネチアの絵も展示されていて、思わず長く見入ってしまった。

一次大戦で海外渡航が困難になって山に向かい、毎年北アルプスに入っていたようで、黒部峡谷など結構な奥まで足を延ばしている。喜作新道を拓いた小林喜作をガイドにしていたそうだ。その後川瀬巴水なども手掛けていた浮世絵の流れを汲む木版画を手掛け、49歳の1925年に私も好きなEl Capitanパタゴニアのカタログの表紙にもなったはず)やグランドキャニオンを摺っている。

ホイッスラーの暗い色彩に魅かれた時期もあったが、その後自然を賛美するような穏やかな色彩の作品が多い。ダイアナ妃の部屋にも飾られていたとのエピソードも添えられていたが、今でも日本の外でより知られているようだ。

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穂高山。このアングルからの屏風岩と涸沢だとどこから?/ こちらは剣

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作品集やフォルダーを購入して帰った。