湘南寺田屋

個人の記録用。元々は山スキーやクライミングの記録用だったが今は料理やらオルガンやら日々の雑多な記録多し。2016−21間はシドニー滞在していた時の記録。23.7月から山の記事はサブブログに移管。以前の記録もサブブログでアーカイブ。

越後駒ケ岳(途中まで)

4月8日(土)

夜9時45分、八王子駅南口で林さん、K下さんと待ち合わせ。K下さんはほぼ1年ぶりに山にいけることになり、「初滑り」である。関東は昼間に前線が通過して雷雨であったが、すでに快晴。越後はどうであろうかと案じながらVolvo240にて関越道に向かう。八王子からあきる野ICまでは20分ほどの距離で高速に乗れるようになり便利。水上までは快晴であったが、さすがに吹出しの雲につかまり関越トンネルに近づくにつれ雨になった。小出ICを出て「道の駅」に着いたのは日付が変わって1時。先行したジュリアン達が軒下にエスパースを建ててくれており、濡れずにすんだ。自動車の出入りが多くちょっとうるさいが(皆どこにいくのだろう?)、軽くナイトキャップを楽しみ就寝。


4月9日(日)

 5時起床。雨はほとんど上がり、視界もあるが、すっきりとはしない。6時ちょうどにシルバーラインのゲートが開くのにあわせて銀山平を目指す(この時期は18時から6時はゲートが閉まる)。途中からトンネルの間に積雪が結構ある。除雪車がでており、先行10台ほども渋滞している。銀山平へのトンネルの中の分岐を右折すると、除雪はまだであり、足止めを食う。30cmほどは積もっている。作業員と話すと、石抱橋手前の民宿あたりで通行止めとなるが、そこまではこれから除雪作業をするのでしばし待てとのこと。結局通行止め地点の道路に駐車して出発したのは7時30分となった。除雪の済んでいない道路の両側をシールでいくが、すぐに除雪車が戻ってきて路面がでてしまい、担ぐはめになる。途中右側に赤い欄干が見え川を横断しているのが見えたが、除雪はさらにまっすぐ進み大きな赤い橋も見えたので確認が曖昧なまま進んでしまう。結局これは地図にない新しい民宿開発地の道であり、先ほどの欄干が石抱橋であった。三須さんから疑問が提示されていたのに確認を怠ったリーダー(私…)のミスであった。結局戻って石抱橋出発は8時30分。地元の方に聞くと、この時期にこれほどの雪があるのは記憶にないとのこと。林道両側の壁は5mほどある。8日朝から降っている新雪は50cm以上となっている。湿った重い雪である。雪崩十分注意が必要な状況である(事実、この週末、北アなどで雪崩事故が相次いだ)。

 川の右側(左岸)をシールで行くが、アップダウンがあり、やや苦労する。右からの骨投沢(コツナギサワ)の出合を越えて次の柳沢に入り左側の尾根に取り付く予定であるが、河床近くに下りたりしながら進むので、なかなか出合がわかりにくい。三須さんのシールトラブルで少し休み、大きな沢の出合を柳沢と認識して尾根に取り付く。結果として、これは誤りでこの沢が骨投沢であり、骨投沢・柳沢間の尾根に取り付いていた。視界が悪い中であったが、再度慎重に位置確認をするべきであった。実はGPSからそうではないかとの感じがあったが、途中誤差データ等がでていたので、目視を優先していた。後に考えればやはりGPSの方が正しく、自分の感覚のずれに気づかされた。

ともあれ急な尾根に取り付く。地形的な危険は少ないが、なにせ重く大量の雪が載っているので、樹林に隠れながら雪崩を警戒しつつ高度を稼ぐ。時に膝上までの重雪ラッセルになかなかペースはあがらない。稜線上にあがるとなかなかのナイフリッジとなり、慎重にシール投降を続ける。ジュリアンのパワーは相変わらずであるが、本間さんや他のメンバーも皆頑張って先頭を切る。すでに時間の経過を考えれば越後駒ケ岳山頂は到底無理であることから、12時30分迄、あるいは主稜線に出るまでをリミットとする。天候は徐々に回復しているようであるが、断続的にふぶく。Hさんの晴れ男パワーもM、T2名の雨男連合軍の前には今ひとつ神通力が封じられているようである。樹々に雪が降り積み深い雪に覆われた山は、まだ3月上中旬の気配である。12時10分、ガスに巻かれた中、1200m地点ほぼ主稜線上で本日の最終地点とする。駒本峰は遠い。作戦を建て直し、来年以降の再挑戦を誓う。

さて、いよいよ滑降である(12:30)。幸い、日差しがなかったため新雪は均質で落ち着いており、以前雪との結合も良い。視界が回復する高度までは、尾根筋を登路沿いに滑る。K下さんを先頭に、深い雪を蹴散らすが、このあたりは標高があるせいで雪は軽く楽しい。膝上くらいの柔らかい雪である。やせ尾根を巻いてさらに滑り、骨投沢を見下ろす台地上で一服。さすがに雪が重くなってくるが、ここからは疎林のバーンが沢芯まで落ちており、ここを滑ることにする。K下さんとHさんは華麗にショートターンで、Jも踊るようなスタイルですっ飛んでいく。H間さんも楽しそうにどんどん滑っていく。重めの深雪をこなすために丁寧な両足切り替えが必要である。最後尾をMさんとT田で追いかけるが、足並みが揃いあっという間に滑り降り、出合で登りのトレースに合流し、本日のお楽しみはおしまいである。まずは、満足できる滑降であった。

石抱橋までは、トレース沿いに延々と歩き車には14時30分到着。途中、村営の温泉センターで風呂と蕎麦を楽しんで帰路についた。このころにようやく日本海側の天候も回復し、巻機や谷川連邦の美しい姿を見ながら家路を急いだ。八王子到着20時ジャスト。//

[行動記録]

駐車場(民宿前) 07:30

新民宿地(道間違え引き返し) 08:10

石抱橋 (770m) 08:30

骨投沢出合 10:30

主稜線 (1220m) 12:10/12:30

[登行高度]450m [滑降高度]450m

[メンバー]T田CL(記録)、K下、H、J、M須、H間

[地図] 1/2.5万 越後駒ケ岳(実際はカシミールマップを使用)