4日(土)、好天が期待できるので、少し早起きして伊豆大島に出かけることにする。現在検査待ちで、人がいないところや長距離運転でいくところは自粛(?)しているので、以前から温めていた島の山旅プランの実行。ちょうど椿も咲いていることであろう。先週、セールになっていたマックパックを入手したので今回使い初め。
熱海から島にわたる高速船(東海汽船のジェットフォイル)を利用し、路線バスで登山口まで。帰路も同様になのだが、船も島内バスも午前午後1便ずつと少ないので下記のプランとする。いろいろ乗り継ぎが悪いのだが、まあのんびり行くこととするが、山に入る時間は2時間半しかないのでミニスピードハイキングである。
茅ヶ崎 7:06発(JR)
熱海港 8:30着 / 9:00発(東海汽船)
大島元町港 10:05着/ 10:50発(大島バス)
三原山頂口 11:15着
(ハイキング)
三原山温泉ホテル 13:47発 (大島バス)
元町港 15:50発 / 16:55着
(徒歩)
熱海駅 17:30発 (JR)
茅ヶ崎 18:12着
熱海駅は観光の人で活気が戻っている。さすがに昔から人気があるだけに弓状の海に迫る山斜面が他にない雰囲気で美しい。港へのバスに乗る人はそう多くはないので、駅前コンビニでおむすび等買って乗り込む。坂を下り、梅や早咲きの桜が満開の港エリアに到着。他の島に行く便も多く、春休み時期だからか若者も多く華やかな賑わい。訳ありっぽいペアも何組かいておもしろい。ネット予約を見せて往復紙チケットを入手(下船時に回収される仕組み)。カモメやトビを見ながら菓子パンを食べて腹ごしらえ。
船はジェットフォイルという高速の水中翼船で全席指定。80キロ(40ノット以上!)も出るそうだが、浮いてしまうと安定して揺れも少なく快適。三割くらいの埋まり具合で幸い窓際の席だったので双眼鏡を出して鳥を探す。少し前に伊豆大島(乳ケ崎)でコアホウドリが観察されたとの話があり、航路上で何かと遭遇しないかと大きめの双眼鏡(勝間光学6x30)を持参。途中遠くにオオミズナギドリのような姿をみかけたが同定には至らず。途中伊東に寄港してから大島に向かう。伊東からも乗船者があり、20人程の大きなリュックをしょった高校山岳部員たち。ちょうど北条早雲の小説を読み終えて本拠地韮山にも行ってみたいと思っていたところなのでちょっと不思議なご縁を感じる。自分も田舎の高校山岳部だったが、今はみんな垢抜けていてでお揃いのパーカーなど着ている。結局この後登山口へ登るバスでも一緒になった。
箱根の山を見下ろし富士の高嶺 / 伊豆大島遠望
北端の乳ケ崎。小アホウドリは見つからず / 元町港と三原山外輪山
竹芝から来た高速船が熱海便となって出港
バス待ちの時間に再度海鳥ウォッチングとするが、残念ながら成果なし。黄色の小さなバスの奥に陣取ったが、船で一緒だった高校山岳部も乗り合わせなので満員となった。結構な山道を登り、外輪山の淵の三原山登山口に到着。ほぼ全員ここで降りた。青い海が見渡せる。いくつか防災用シェルターの建物があり、活火山であることを思い出す。
礼儀正しい高校生達でぎゅうぎゅう。楽しそうである / 島には椿がたくさん
大きな海 / 外輪山の縁から三原山遠望
高校生達が準備している間に先行させてもらう。展望台で写真を撮る人はいるが、山に入る人は少ないようである。登山口からすぐ二手に分かれるが、よりマイナーそうな「表砂漠ルート」を行ってみる。国土地理院の地形図で「砂漠」との表記があるのは伊豆大島だけだそう。1986年が最近の大噴火だからまだ40年も経っておらず荒々しい景色が広がる。
荒涼とした登山道 / 火山灰の道
広々としているカルデラ内
「表砂漠」ルート。確かに砂漠である。
遠く伊豆諸島の島々 三角錐は利島か
だだっ広い砂地を歩いているとトレースは曖昧になってきたので、適当に登りやすそうなところをつないでいく。標高差は少しなので程なく火口の一角に登り着いた。だいぶん東寄りに歩いたようだ。火口沿いの道を何人か歩いている。反時計回りに剣ヶ峰の最高地点に向かってのんびり歩く。
登山口方向を振り返る。外輪山の内側 / 岩屑の中、トレースはあいまい
外輪山の一角に到着 / 白い噴煙がどこかしこで噴出
白い噴煙が火口の底から上がっていてかっかざんであることが実感できる。一段登ると東側から火口を覗き込む展望地点に到着。正直想像をずっと上回る巨大な穴が広がっていた。迫力十分でびっくりした。
どでかい穴である。遠くに富士山。
パノラマでも撮ってみる。
さらにゆるやかに登ると最高地点の剣ヶ峰になるが、特に印もなく淡々とすぎる。少し降ったところに昭和61年(1986年)の時の割れ目火口がすぐそばにあり覗き込める。今はおとなしく少しだけ煙を吹いている。
振り返ると表砂漠 / 行く手が剣ヶ峰
剣ヶ峰のすぐそばからも白い噴煙
1986年の割れ目火口。今も活動している
その先で右手に三原山温泉ホテルへ下る道の分岐がある。時間は気になるが少し先に見える三原山神社と西側火口展望所まで往復しておく。分岐まで戻っておにぎりを2つ食べてから急いで下ることにする。 バスが13:47発しかないので少し早足で整備された道を行く。こちらも荒涼としたカルデラ内平原が広がり裏砂漠と呼ばれている。誰もいないかと思ったら、例の高校山岳部パーティが休止をしていた。さすが若者、荷を背負っても早いものだ。先行させてもらい気持ちよく
三原山神社の鳥居。大噴火でも無事だったそう/ 西側展望所はあまり火口内は覗けない
ゴジラのような岩 / 緩やかに4キロ先の温泉ホテルを目指す
こちらも荒涼としたカルデラ内平原が広がり裏砂漠と呼ばれている。誰もいないかと思ったら、例の高校山岳部パーティが休止をしていた。さすが若者、荷を背負っても早いものだ。先行させてもらい気持ちよく行くと、再生中の灌木帯に入り椿の木々を眺めながら温泉ホテルに到着。少し混んだバスに乗って元町港まで戻った。
今回お供のマックパックのカウリというモデル /
裏砂漠から振りかえり仰ぐ三原山
こちらも荒涼としたカルデラ内平原が広がり裏砂漠と呼ばれている。前にも後ろにも人影なく、ぐるりと一周誰もいない不思議な感覚。一応東京都なのだが。
と思ったら、少し下で例の高校山岳部パーティが休止をしていた。さすが若者、荷を背負っても早いものだ。先行させてもらい気持ちよく緩やかな道を下る。鶯がも結構上手に囀っていて春だなぁと思う。温泉にはバス出発の10分前に到着。ここから乗る人も5、6人いて満車だったが、短い時間で元町港まで戻った。
ちょうど椿祭りの時期
出港まで一時間以上あるので、歩いて5分の町の温泉センター「御神火温泉」にて汗を流してから帰る。ここは広くて柔らかな良い湯。常連の人たちもスタッフも親切で良い。700円。すぐ近くには「浜の湯」という水着着用の露天風呂もあるので次回は試したいもの。
再びジェットフォイルで熱海に戻り、バスが無いので20分歩いて熱海駅へ。始発に座ったがその後続々と乗ってくる人がいて満席。小学生たちが疲れ果てて団子になって眠っていて大人たちは優しくみていた。優しい日本人。
茅ヶ崎に戻って息子と合流し、前から行きたかった巨大チキンの店(Rチキン)でたらふく食べた。
温泉センターで湯を浴びてから / 帰りもまたジェットフォイルで熱海へ